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農業共済団体の1県1組合化への7年間の国の推進指導に係らず達成率は64%(平成29年)

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農業共済団体の1県1組合化への7年間の国の推進指導に係らず達成率は64%(平成29年)

農業共済団体の1県1組合化への7年間の国の推進指導に係らず達成率は64%(平成29年)

  • (1)1県1組合化推進の農林水産省通達の理由

    これは数少ない「民主党政権」時代の置き土産である。農林水産省の経営局S職員とのやり取りで直接聞いたことである。

    いわゆる「事業仕分け」で農業共済組合等は当時の3分の1規模で足りるとされた。国会議員や地方議員が農業共済組合等の組合長や連合会の会長を務める例が多く、その政治的中立性も指摘され、また特別会計問題等も厳しく追及された。

    これに対して、農業共済団体等の組織体制については、農林水産省では組織のコスト削減や経営の効率性を本格的に検討をすることが進められ、その結果としていくつかの課題が上がったが、経営統合を図ることによってそれらの課題の克服をしようとしたのである。

    コスト削減の観点からは、理事や監事などの役員定数の削減は大きいであろう。もっとも、一人当たりの役員賞与などを低くすれば同様の目的は達成できるし、農業共済組合は協同組合と同じで相互扶助組織であるので出来るだけ民主的に運営するといった政策的な観点からは一定数の確保が必要の考えもありうる。

    また、1組織にすれば経理や企画等の間接部門のコスト削減などは可能になろう。ただし、民間会社のように役変更時に登記登録必要から登録免許税及び手数料の削減までのコスト削減は無理である。余った人員はマネジメントの基本が現場主義にあることから職員配置の合理化や適材適所の配置が可能になりやすい。どこでも「向いてない仕事を無理やりやらせている」ことが多いがそれが緩和されよう。この点は、コンプライアンスの観点からもどれほど重要なのかは中川総合法務オフィスの研修を受講したNOSAIはよくよくわかるであろう。

    リスクマネジメントの観点からは、半官半民としての公平さが求められることから農家に対して均質な内容の補償の提供ができ、財政的にも多数の者の危険分散による制度のより安定的な運営が可能になろう。

    平成28年10月に、しばしば取り上げられる農業共済団体から農林水産大臣に提出された「農業災害補償制度の見直しに係る提言について」の中で、農業共済団体が1県1組合化を進めると宣言していることも後押ししているであろう。

    (2)1県1組合化の現状と見通し
     

    現状(平成29年4月現在)では、30都府県が1組合化しているので約64%の達成率である。もう発令から7年がたっているので、遺憾である。
    @1組合化した30都府県 :岩手県、宮城県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、和歌山県、鳥取県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、熊本県、大分県、沖縄県
    A間もなく1組合化予定の7県:奈良県、宮崎県、青森県、秋田県、茨城県、千葉県、佐賀県
    B遅れている10道県:新潟県、静岡県、福岡県、長崎県、鹿児島県、北海道、岐阜県、兵庫県、島根県、岡山県
     
  • (3)山梨県農業共済組合(平成28年特定組合)に学ぶもの

    ・山梨県は、農業総産出額の60%以上を果樹が占めるので果樹共済の加入拡大が最大課題

    ・合併時の予想しなかった複数混乱:掛金徴収事務、損害評価方法、手当支払い、総務の事務量加重、2段階システム移行

    ・中央支所が県内果樹結果樹面積の約80%を管轄するので本所、他支所の職員も総動員して中央支所管内の果樹共済未加入者5千戸の全農家訪問を実施して、288戸の新規契約を獲得した。⇒素晴らしい

    ・コンプライアンス専門部署(専属担当者)の設置が困難で企画情報課が内部監査室を兼務

    ・果樹共済で、80%を占める特定危険方式と樹園地単位方式が平成33年産で廃止されることへの対応
  • (4)徳島県農業共済組合(平成26年特定組合)に学ぶもの

    ・総務部門の本所集約
     組織体制は、本所および3支所とし、総務部門は本所にのみおいて、総務課業務である総務・研修広報・情報システム∵経理を行い、支所は会計を兼務で行う。

    ・積極的な人事異動
     原則3年で異動することを基本に、合併後3年を目途に職員総数の半数程度が組織間異動する。

    ・全職員による地区担当業務
     組合員宅への訪問巡回、引受けから損害評価等に関わる。

    ・中長期計画「NOSAI徳島 未来への展望」策定 http://www.nosai-tokushima.jp/1273.html一部引用
    ※「未来への展望」目次
     I NOSAI徳島の基本方向
       1 基本理念
       2 NOSAI徳島のめざすもの゛
     U NOSAI徳島を取り巻く農政の動向
      1 国の動き
      2 徳島県の農政
      3 徳島県内の農業生産の現状
       (1)農家人口
       (2)農産物の生産状況
     V NOSAI徳島の行動目標
      1 農家組合員の期待に応えるために
       (1)組合運営体制の構築
       (2)法令遵守した適正な事業運営
       (3)業務の効率化
       (4)共済金の早期支払いに向けた取り組み
       (5)損害防止事業の充実
       (6)広報体制の充実
       (7)職員の人材育成
       (8)非常時に対応した体制の確立
      2 NOSAI徳島を支える組織の課題と活動方向
      (1)組合員
      (2)総代
      (3)損害評価委員
      (4)損害評価員
      (5)共済(NOSAI)部長
    3 組織体制のあるべき姿
      (1)本所・支所及び家畜診療所の運営
      (2)業務の効率化への取り組み
    4 農業共済事業の重点推進方策
      (1)「信頼のきずな未来につなげる運動」の推進
      (2)農家組合員への支援事業の取り組み
      (3)農業後継者(青年部・女性部会等)への取り組み
      (4)危険分散機能及び担保力強化
      (5)人材育成に向けた取り組み
    5 損害防止事業のすすめ方
    W「未来への展望」を達成するために 
     
    ・収入保険制度への準備として、類似した他の制度等の内容研究を進める。

    NOSAIへの中川総合法務オフィスのコメント
    このNOSAI徳島の資料は公開されているので、NOSAI関係者は既によく知っていることであろう。現状認識に基づいた網羅的な計画書になっている。東日本のあるNOSAIでも、これほどではないがパンフがよくできたものがあって参事さんから研修講師担当後に詳しく説明を受けたことがある。そこは、非常に研修も熱心であるし、マイナンバーの導入時にも一番先に私を呼んだのである。NOSAI関係者とのおつきあいの過程で何人もの優れた方との付き合いがあって、私には貴重なものとなっており今後とも積極的に全国のNOSAI支援する研修講師などの業務を続けたい。
  • 公文書参照:農林水産省「農業共済団体等における1県1組合化の取組の推進について」(平成22年11月5日付経営局長通知)
    農林水産省意見交換・都道府県農業共済団体担当及びNOSAI現元役員意見交換・NOSAIvol69BN等参照

     
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