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セクハラによる処分有効 最高裁平成27年2月26日逆転判決(大阪海遊館事件)

  • セクハラによる処分有効 最高裁平成27年2月26日逆転判決(大阪海遊館事件)

    大阪高裁?平成26年3月28日判決の論理は非常に古い判断だ。最高裁が小法廷の5人一致の判決であったのは時代的には至極当然であろう。 
    (1)事案 男性上司が複数の女性従業員に対して性的な発言等のセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)等をしたことを懲戒事由として出勤停止の懲戒処分等の処分を受けたのは懲戒事由の事実を欠
    き又は懲戒権を濫用したものとして無効等を主張したのものである。
    (2)判決 「…職場におけるセクハラの防止を重要課題として位置付け,かねてからセクハラの防止等に関する研修への毎年の参加を全従業員に義務付けるなどし,平成22年11月1日には「セクシュアルハラスメントは許しません!!」と題する文書(以下「セクハラ禁止文書」という。)を作成して従業員に配布し,職場にも掲示するなど,セクハラの防止のための種々の取組を行っていた。…
    禁止行為として「@性的な冗談,からかい,質問」,「Bその他,他人に不快感を与える性的な言動」,「D身体への不必要な接触」,「E性的な言動により社員等の就業意欲を低下させ,能力発揮を阻害する行為」等が列挙され,これらの行為が就業規則4条 (5)の禁止する「会社の秩序又は職場規律を乱すこと」に含まれることや,セクハラの行為者に対しては,行為の具体的態様(時間,場所(職場か否か),内容,程度),当事者同士の関係(職位等),被害者の対応(告訴等),心情等を総合的に判断して処分を決定することなどが記載されていた。…別紙1のとおり,従業員Aが精算室において1人で勤務している際に,同人に対し,自らの不貞相手に関する性的な事柄や自らの性器,性欲等について殊更に具体的な話をするなど,極めて露骨で卑わいな発言等を繰り返すなどしたものであり,また,被上告人X2は,前記2(5)のとおり上司から女性従業員に対する言動に気を付けるよう注意されていたにもかかわらず,別紙2のとおり,従業員Aの年齢や従業員Aらがいまだ結婚をしていないことなどを殊更に取り上げて著しく侮蔑的ないし下品な言辞で同人らを侮辱し又は困惑させる発言を繰り返し,派遣社員である従業員Aの給与が少なく夜間の副業が必要であるなどとやゆする発言をするなどしたものである。このように,同一部署内において勤務していた従業員Aらに対し,被上告人らが職場において1年余にわたり繰り返した上記の発言等の内容は,いずれも女性従業員に対して強い不快感や嫌悪感ないし屈辱感等を与えるもので,職場における女性従業員に対する言動として極めて不適切なものであって,その執務環境を著しく害するものであったというべきであり,当該従業員らの就業意欲の低下や能力発揮の阻害を招来するものといえる。しかも,上告人においては,職場におけるセクハラの防止を重要課題と位置付け,セクハラ禁止文書を作成してこれを従業員らに周知させるとともに,セクハラに関する研修への毎年の参加を全従業員に義務付けるなど,セクハラの防止のために種々の取組を行っていたのであり,被上告人らは,上記の研修を受けていただけでなく,上告人の管理職として上記のような上告人の方針や取組を十分に理解し,セクハラの防止のために部下職員を指導すべき立場にあったにもかかわらず,派遣労働者等の立場にある女性従業員らに対し,職場内において1年余にわたり上記のような多数回のセクハラ行為等を繰り返したものであって,その職責や立場に照らしても著しく不適切なものといわなければならない。
    …原審は,被上告人らが従業員Aから明白な拒否の姿勢を示されておらず,本件各行為のような言動も同人から許されていると誤信していたなどとして,これらを被上告人らに有利な事情としてしんしゃくするが,職場におけるセクハラ行為については,被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも,職場の人間関係の悪化等を懸念して,加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられることや,上記(1)のような本件各行為の内容等に照らせば,仮に上記のような事情があったとしても,そのことをもって被上告人らに有利にしんしゃくすることは相当ではないというべきである。また,原審は,被上告人らが懲戒を受ける前にセクハラに対する懲戒に関する上告人の具体的な方針を認識する機会がなく,事前に上告人から警告や注意等を受けていなかったなどとして,これらも被上告人らに有利な事情としてしんしゃくするが,上告人の管理職である被上告人らにおいて,セクハラの防止やこれに対する懲戒等に関する上記(1)のような上告人の方針や取組を当然に認識すべきであったといえることに加え,従業員Aらが上告人に対して被害の申告に及ぶまで1年余にわたり被上告人らが本件各行為を継続していたことや,本件各行為の多くが第三者のいない状況で行われており,従業員Aらから被害の申告を受ける前の時点において,上告人が被上告人らのセクハラ行為及びこれによる従業員Aらの被害の事実を具体的に認識して警告や注意等を行い得る機会があったとはうかがわれないことからすれば,被上告人らが懲戒を受ける前の経緯について被上告人らに有利にしんし
    ゃくし得る事情があるとはいえない。…」

    ◆大阪高裁の論理…「被控訴人が本件各処分の根拠として主張した事実(本件各懲戒事由)の全てが認められたり、懲戒事由に該当したりするものではなく、この点において、既に本件各処分はその基礎の一部を欠いている…弁解の機会が与えられていないから、手続の適正を欠いている…控訴人らが、Aから明確な拒否の姿勢を示されたり、その旨被控訴人から注意を受けたりしてもなおこのような行為に及んだとまでは認められない…被控訴人においては、セクハラ防止活動に力を入れていたとはいいうものの、一般的な注意以上に、従業員の個々の言動について適切な指導がされていたのか疑問がある…被控訴人ではこれまでセクハラ行為を理由とするものを含めて懲戒処分が行われたことがなかったことが認められ、控訴人らには、被控訴人が具体的にセクハラ行為に対してどの程度の懲戒処分を行う方針であるのかを認識する機会がなかった…上記の点を考慮すると、事前の警告や注意、更に被控訴人の具体的方針を認識する機会もないまま、本件各懲戒該当行為について、突如、懲戒解雇の次に重い出勤停止処分を行うことは、控訴人らにとって酷にすぎる…本件各処分は、その対象となる行為の性質・態様等に照らし、重きに失し、社会通念上相当とは認められず、本件各処分につき手続の適正を欠く旨の控訴人らの主張について判断するまでもなく、権利の濫用として無効である。」⇒憲法31条の問題としている。組織におけるコミュニュケーションに相当問題があるとの価値判断であろう。

    ◆このセクハラによる懲戒処分を有効とした 最高裁平成27年2月26日逆転判決(大阪海遊館事件)が出てから、このセクシュアル・ハラスメントに関する報道が多かったが、管理職の認識不足の事を訴えるものとは論点はもっと別のところにある。実際のマネジメントの問題は裁判官や弁護士は疎い。この本質はブルーオーシャン戦略の指摘した組織の規範問題と私は考える。
      研修等でセクハラが組織として厳禁であることを知っていたのであるから、重い懲戒処分は妥当としているが、この事実審である地裁の判決文には、セクハラ研修の事も書いてあろうがそれをまた報告したい。いったいどんな研修をしているのであろうか。
     東京の通信最大手のN会社で、ハラスメント研修を全管理職対象で二週にわたって行ったが、まったく今までとは違う研修であったとの言葉であった。
    とすると、いわゆる専門家が或いは研修会社がやっていたものはどんな研修であったのか。
     もっと、自分の研修を知ってほしい。これをお読みの方ご一報が欲しい。
     伝えたいから、組織とあなたを幸せにす方法を。

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