日本への帰化申請手続き-Naturalization application process to Japan法改正2022

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1.【日本への帰化申請手続き】

日本への帰化申請に当たっては、国籍法の定める要件を満たすことが必要で、帰化申請の提出書類には、「帰化許可申請書」、「親族の概要を記載した書面」、「履歴書」、「帰化の動機書」、「国籍・身分関係を証する書面」、「住所証明書」、「宣誓書」、「生計の概要を記載した書面」、「事業の概要を記載した書面」、「在勤及び給与証明書」、「卒業証明書,在学証明書(又は通知表写し)」、「源泉徴収票,納税証明書」、「確定申告書,決算報告書,許認可書等の写し」、「運転記録証明書」、「技能,資格を証する書面」、「居宅・勤務先,事業所付近の略図」その他が必要です。

 

2.【帰化申請に関して「国籍法」の定める要件】

⇒法改正により令和4年度からは、18歳で足りる。

(帰化)
第四条
① 日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつて、日本の国籍を取得することができる。

② 帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない。

第五条
① 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。

二 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。

三 素行が善良であること。

四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。

六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

② 法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

第六条
次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの

二 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの

三 引き続き十年以上日本に居所を有する者

第七条
日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するものについても、同様とする。

第八条
次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの

二 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの

三 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの

四 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

第九条
日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第五条第一項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。

第一〇条
① 法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない。

② 帰化は、前項の告示の日から効力を生ずる。

(国籍の喪失)
第一一条
① 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

② 外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。

 

●国籍法施行規則(抄)

(帰化の許可の申請)
第二条 帰化の許可の申請は、帰化をしようとする者の住所地を管轄する法務局又は地方法務局の長を経由してしなければならない。
2 前項の申請は、申請をしようとする者が自ら法務局又は地方法務局に出頭して、書面によつてしなければならない。
3 申請書には、次の事項を記載して申請をする者が署名し、帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類を添付しなければならない。
一 帰化をしようとする者の氏名、現に有する国籍、出生の年月日及び場所、住所並びに男女の別
二 父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
三 帰化の許否に関し参考となるべき事項

(訳文の添付)
第五条 届書又は申請書の添付書類が外国語によつて作成されているときは、その書類に翻訳者を明らかにした訳文を添付しなければならない。

 

3.帰化申請で提出する書類

(1)帰化許可申請書(2通とも写真貼付)

① 国籍は,申請者の属している国名を書く。

② 氏名は,氏,名の順序で漢字・ひらがな又はカタカナで書き,氏名が漢字の場合は,ふりがなをつける(中国等の簡略体漢字については,日本の正字に引き直す)。  また,通称名があればすべての通称名を書く。

③ 生年月日は,日本の年号(大正・昭和・平成)で書く。

④ 帰化後の本籍は,土地の地番あるいは住居表示が使用できる。ただし住居表示番号の場合は ○号は記載できない。
帰化後の氏名は,原則として常用漢字表,戸籍法施行規則別表第二に掲げる漢字及びひらがな又はカタカナに限る。

⑤ 申請年月日と申請者の署名(15歳未満は法定代理人)は受付時に記載するので空欄のままにする。

 

(2)親族の概要を記載した書面

① 申請者を除いて,申請外の同居の親族のほか,配偶者,申請者の親(養親を含む。)・子(養子を含む。)・兄弟姉妹,配偶者の両親,前夫(妻),内縁の夫(妻),婚約者を記載する。(死亡者も含む)。

② 在日親族と在外親族を区別する。

(3)履歴書(15歳末満の人は不要)

① 経歴を各項目ごとに区分し,出生の時から日付順に書く。

② 職歴については,具体的な職務も書く。

③ 重要な経歴については,その証明資料を添付

ア 卒業証明書又は卒業証書(写し)

イ 在学証明書又は通知票(写し)

ウ 在勤証明書

エ 自動車運転免許証(写し)

オ 技能及び資格証明書(医師,歯科医師,薬剤師,看護師,教員,理容師,美容師,建築士,調理師その他免許を必要とする職業に従事している人は,その技能及び資格証明書又は免許証)(写し)

(4)帰化の動機書(15歳末満の人は不要)

① 自筆に限る。

② どうして帰化したいかという理由を具体的に書く

例えば,渡日に至った経緯・動機,日本での生活に対する感想,本国に対する思い,今までに行った又は今後行いたい社会貢献等

(5)国籍・身分関係を証する書面(国籍証明書,本国の戸籍謄本,パスポートの写し等)

① 国籍証明書

本国の官憲(又は在日大使館等)が発行した国籍証明書を,法務局の担当者の指示があったときに提出する。韓国・朝鮮の人は,本国の戸籍謄本を提出すれば足りる。

② 旅券(パスポート)を所持している人は,旅券の写しを提出する。

 

③ 本国の権限を有する官公署が発給した出生証明書・婚姻証明書・親族(親子)関係証明書その他の身分関係を証する書面を提出する。

韓国・朝鮮の人,中国(台湾)の人は,出生地,父母の婚姻時から現在までの兄弟姉妹を含む

身分事項が分かる自分の国の戸籍(又は除籍)謄本が必要。

また,離婚歴を有する人は,離婚事項の記載のある戸籍(除籍)謄本を提出する。

なお,部分謄本又は抄本は不可

④ 次の各例の場合には,日本国民である人,あるいは日本国民であった人の日本の戸籍(又は除籍)謄本が必要。

ア 申請者の配偶者(元配偶者,内縁関係を含む)が日本国民であるとき

イ 申請者の子(養子)が日本国民であるとき

ウ 申請者の婚約者が日本国民であるとき

エ 申請者の父母(養父母)が日本国民であるとき(養父母の場合は,養子縁組事項の記載があるものも含む)

オ 申請者が日本国民であった人の子であるとき

カ 申請者が日本の国籍を失った人であるとき

キ 申請者の親・兄弟柿妹・子の中で帰化又は国籍取得をした人がいるとき(ただし,帰化事項又は国籍取得事項の記載があるもの)

⑤ 申請者が日本において出生し,また,婚姻,離婚,養子縁組等をしているとき,及び父母等が日本において婚姻,離婚,死亡しているときは,次の証明資料が必要。

ア 出生届の記載事項証明書(本人及び兄弟姉妹の出生届の記載事項証明書)
イ 死亡届の記載事項証明書
ウ 婚姻届の記載事項証明書
エ 離婚届の記載事項証明書(裁判離婚の場合は,調停調書の謄本又は確定証明書のついた審判書若しくは判決書の謄本も必要)
オ 親権者変更届等の記載事項証明書(裁判離婚の場合は,調停調書の謄本又は確定証明書のついた審判書若しくは判決書の謄本も必要)
カ 養子縁組届の記載事項証明書
キ 認知届の記載事項証明書
ク 就籍の審判書
ただし,上記ア~カについての届出事項の記載のある日本の戸籍(又は除籍)謄本を添付した場合は,証明資料の提出は不要

⑥ 本国(又は外国)の出生,婚姻,離婚,親族関係その他の証明書(公証書)離婚,親権について裁判をしている場合は,確定証明書のついた審判書又は判決書の謄本が必要

 

(6)住所証明書(外国人登録原票記載事項証明書等)

① 申請者及び同居している人全員について,居住地の市区町村長が発行した外国人登録原票記載事項証明書で次の記載のあるものが必要
ア 出生地
イ 上陸許可の年月日
ウ 法定居住期間の居住歴(過去5年間に住所移転のない方は現住所地に住所を定めた年月日)
エ 在留資格及びその期間
オ 氏名・生年月日を訂正しているときは訂正前の事項とその訂正年月日
カ 外国人登録番号の記載のあるもの

② 住民票
配偶者(内縁の夫・妻を含む),子又は同居者が日本人であるときは,その人の住民票の写しを提出する。

(7)宣誓書(15歳末満の人は不要)

署名欄は空白にする

(8)生計の概要を記載した書面

① 申請者並びに配偶者及び生計を一にする親族の収入・支出関係,資産関係などの所要事項を具体的に書く。
② 月収(手取り)は,申請の前月分について書く。
③ 世帯を異にする親族によって申請者の生計が維持されている場合は,収入欄にその親族からの収入について書く。
④ 不動産を所有している世帯については,土地・建物の登記簿謄本(登記事項証明書)を提出(日本以外の国に所有する不動産も含む),賃貸契約書の写し
⑤ 預貯金通帳の写し又は預貯金現在高証明書(銀行,郵便局等で証明を受けたもの)

(9)事業の概要を記載した書面

① 事業の内容などを具体的に書く
ア 申請者又は申請者の生計を維持している配偶者その他の親族が個人で事業を営むか,あるいは,会社等の法人を経営している場合
イ 申請者が会社等の法人の役員その他の経営に従事している者である場合
ウ 共同で個人事業を経営している場合
エ 申請者の生計が,世帯を異にする配偶者その他の親族の収入で維持されている場合で,その人が事業経営者である場合
② 複数の事業を行っている場合には,一事業ごとに作成する。
③ 確定申告書,決算報告書(貸借対照表及び損益計算書)等の写しを添付する。
④ 会社等の法人の場合には,その法人の登記簿謄本(登記事項証明書)を添付する。
⑤ 許可又は認可を要する事業を営んでいる人については,官公著の長が証明した証明書の写しを添付する。

 

(10)在勤及び給与証明書

① 申請者並びに配偶者及び生計を一にする親族が,給与,報酬等の収入により生活している場合に提出する。
② 勤務先の会社で作成してもらう(給与の支払責任者が作成したものも可)。
職種は,具体的な職務内容まで書いてもらう。

 

(11)卒業証明書,在学証明書(又は通知表写し)

 

(12)源泉徴収票,納税証明書

権限を有する者が証明したもので,直近1年分を提出

 

(13)確定申告書,決算報告書,許認可書等の写し

① 給与所得者又は事業経営者(法人・個人)によって異なる

② 許可又は認可を要する事業を営む人は,許可又は認可をした官公署の長が発行した証明書又はその写しを提出

 

(14)運転記録証明書(又は運転免許経歴証明書)

① 自動車運転免許証を持っている人は,自動車安全運転センターが発行した過去5年間の運転記録明書を提出。
なお,帰化申請の結果が出るまでの問に再度提出要請がある場合がある。

② 自動車運転免許証を失効した人,取り消された人は,運転免許経歴証明書を提出

(15)技能,資格を証する書面(運転免許証の写し(表・裏)も含む)…(3)参照

(16)居宅・勤務先,事業所付近の略図

① 目標となるもの又は最寄りの交通機関からの経路,所要時間等。

② 自宅以外の場所で事業を営む人は,別にその営業所(会社,工場,店舗等を含む)の所在図を前記に準じて作成。

③ 過去3年のうち住所や勤務地に変更のある人はその分(前住所地等)も作成。

 

(17)その他

① 本国の成人年齢・行為能力の制限を定めた法令及び申請者の年齢を証明したもので,原則として本国の官公署が証明したものを提出。
ただし,次の場合は省略可。
(ア) 日本国民の配偶者
(イ)日本国民の子(縁組の時本国法により未成年であった養子で,かっ,1年以上引き続き日本に住所を有する人を含む)
(ウ)日本の国籍を失った人(日本に帰化した後,日本の国籍を失った人を除く。)
(エ)日本で生まれ,生まれた時から無国籍で,生まれた時から引き続き3年以上日本に住所を有する人
② 国籍を有せず.又は日本の国簿を取得することによってその国の国簿を失うへきことの証明+本国の官憲(又は在日大使飽等)が発行した,本国の国籍を喪失(離脱)した旨の証明書又は日本の国籍(外国の国籍)を取得したときは本国の国籍を喪失する旨の証明書(ただし,法務局の担当者の指示があった場合)。
なお,申請者が本国法によって,日本国に帰化すれば当然にその国籍を失うことが明らかである法制を採る国(例えば,韓国)の場合は不要。

③法務局の担当者から指示があった場合は,その指示に従う。
例えば,スナップ写真・診断書・感謝状などの提出

 

4.帰化するに当たっての留意事項

(1)申請受付の際は,申請者の住所地を管轄する法務局・地方法務局へ申請者(15歳末満の人については,法定代理人)自らが出向いて提出する。

(2) 「申請年月日」,「申請者又は法定代理人の署名」及び「宣誓書の著名」は,空欄。

(3) 写しを提出書類とする場合は,必ず原本を持参する。

(4)帰化許可申請後に,次に掲げる事項等申請の内容に変更が生じたときは,必ず,すみやかに法務局の担当者に連絡する。
① 住所又は連絡先が変わったとき
② 婚姻・離婚・出生・死亡・養子縁組・離縁など身分関係に変動があったとき
③ 在留資格や在留期間が変わったとき
④ 日本からの出国予定(再入国予定を含む)が生じたとき及び再入国したとき
⑤ 仕事関係(勤務先等)が変わったとき
⑥ 帰化後の本籍・氏名を変更しようとするとき
⑦ 法務局へ連絡する必要が生じたとき(罪を犯した場合(交通違反を含む。)等)

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